エコフェミニズム研究所
The Ecofeminist Research Institute(ERI)

所長

佐野 敦子(静岡大学/DE&I推進室/講師)

設置期間

令和7年10月1日~令和10年9月30日

研究テーマ

エコフェミニズム理論の探究および現代の文脈でのエコフェミニズムの意義と実践を問い直すことで、エコフェミニズムの理解を分野横断的に広げる。

研究概要

<研究の目的>
本研究所は、日本初のエコフェミニズムを追究する機関として、エコフェミニズムの意義と実践を問い直し、エコフェミニズムの現代的な理解のもと、エコフェミニズムをキーワードに分野横断的に国内外との共同研究を推進する。理論と実践の両面からの研究の推進によって、そして国内外との連携をとおして、現代の文脈でのエコフェミニズムの意義、ひいてはエコロジーとフェミニズム・ジェンダー平等の推進が担いうる現代的な役割を提示したい。本研究は、基盤研究C『ドイツのエコフェミニズムから交差性を再考する―統一以降の緑の党の系譜に注目して』の推進を軸に、エコフェミニズムの意義と実践をその中心地の1つであるドイツの取組から問い直し、エコフェミニズムの現代的な意義を捉え直すことから始める。具体的には、脱原発に代表されるドイツのエコロジーの動きを、その始まりからすでに関連が深かったフェミニズム運動と平和主義の面からも光を当てることで、ジェンダー平等と一刻も早い世界各地の戦火の終息を希求する時流に叶ったエコフェミニズムの意義を検討する。そして、現代的なエコフェミニズムの理解のもとに、分野横断的に国内外との連携を広げる。日本においては、例えば水俣病や自然災害が多い地理的な条件をふまえた持続可能性からの観点や、戦争や被爆体験という歴史に依拠した平和主義からのアプローチ等、日本ならではエコフェミニズムの追究を企図し、国外においては類似の研究を行う機関との共同研究の展開を目指す。