所長
設置期間
令和8年10月1日~令和11年9月30日
研究テーマ
小中高一貫による科学技術イノベーション人材の継続的育成プログラムの研究・開発とその効果検証
研究概要
<研究の目的>
科学立国である日本がSociety 5.0という新たなパラダイムにおいて国際的なプレゼンスを発揮し続けるためには、特定の専門分野に閉じることなく、多様な知を融合して複雑な課題を解決できる「科学技術イノベーション人材」の育成が急務である。これまで本学では、小中学生を対象としたSTEAM教育(ジュニアドクター育成塾・STELLA事業等)と、高校生を対象とした科学技術イノベーション教育(GSC事業・FSS等)を独立して推進し、それぞれ極めて高い教育効果を挙げてきた。しかし、傑出した資質・能力を有する人材を真のイノベーターへと昇華させるためには、各教育段階での単発的な支援にとどまらず、初等教育から高等教育に至るまで、児童・生徒の認知発達に寄り添いながら長期的かつ体系的に介入する「小中高一貫型」の教育エコシステムが不可欠である。
本研究所の目的は以下の4点である。
1. 小中高一貫型教育プログラムの理論的・実践的研究と開発: 現行の「小中部門(STEAM教育)」と「高校部門(イノベーション・アントレプレナーシップ教育)」をシームレスに接続するカリキュラムを開発する。発達段階に応じたステージ(ステージ1.0入門期からステージ3.0発展・応用期)を定義し、分野横断的視点、課題解決能力、および社会実装に向けた「つなげる力」を段階的に育成する。
2. モチベーションの科学的解明と圧倒的成果の創出: STEAM教育を受けた児童生徒の探究活動のモチベーションがどこから来るのかを科学的に特定する。また、児童生徒の探究活動の評価として静岡県内外のコンテストへ積極的に応募し、全国レベル(サイエンスカンファレンス・ジュニアサイエンス賞等)や県レベル(静岡県学生科学賞県知事賞等)において、卓越した受賞成果を創出・支援する。
3. フィールドワークとしての教育プログラムの実践と評価基盤の統合: 三菱みらい育成財団の助成による高校生向けプログラムと、JST・STELLA事業による小中学生向けプログラムを統合的な視点で運用し、受講生の長期的なコンピテンシー(資質・能力)の変容を測定する共通の評価ルーブリックを確立する。
4. 「中3の壁」の克服と異年齢協働(クロスエイジ・メンタリング)による地域社会への還元: 高校生が小中学生を指導するメンターシップ制度の導入を通じ、異年齢間の教え合いによる教育効果を検証する。小中学生から高校生へと発展する際の課題である「中3の壁」を乗り越える実践的方策を実装し、その成果を次世代人材育成の「静岡モデル」として国内外の学会・地域教育委員会等へ広く発信する。
