所長
設置期間
令和8年10月1日~令和11年9月30日
研究テーマ
働く人のウェルビーイングを支える心理学的評価と支援モデルの開発
研究概要
<研究の目的>
本研究所は、心理学分野で蓄積されてきた研究成果、実践知および支援方法を、働く人を対象とする研究へ展開することを目的とする。心理的・発達的な困難を抱える人への支援に加え、すべての働く人のウェルビーイングと成長を支える研究に取り組む。また、静岡県内の企業や関係機関と連携し、研究成果を地域社会へ還元することを目指す。
研究は、次の二つを柱とする。
1.働く上での困難の把握と支援障害、メンタルヘルス上の不調、仕事と家庭生活の両立、職場への適応など、就労上の困難を抱える人への支援に資する研究を行う。また、事故や災害への対応に従事する人、医療・福祉・教育等の対人援助職など、強い身体的・心理的負担を伴う職務に就く人のストレスと支援ニーズを把握する。その上で不調の予防早期支援および回復支援のあり方を検討する。
2.働く人の健康・成長と組織活力の促進健康な人を含む幅広い従業員を対象として、日常的なセルフケアやストレスへの対処を支える方法を検討する。また、働く意欲、仕事の意味、成長実感、職場でのつながりを育む個人的・組織的要因を明らかにする。さらに、部下の主体性と成長を支えるリーダーシップや学び直し新たな職務への挑戦を促す組織環境について研究する。
研究に当たっては、心理アセスメント、質問紙調査、面接等を用いて個人、集団および組織の状態を評価する。得られた結果をもとに課題と支援ニーズを把握しセルフケア管理職研修体験型リーダーシップ研修ピアサポートおよびグループ支援等を開発・実施する。
AIやICTは、個人や集団の状態把握、セルフケア、支援への接続、研修および効果測定を補助する手段として活用する。AIによる支援のみで完結させるのではなく、対人支援と組み合わせることで、安全性と有効性を確保した支援モデルの構築を目指す。
本研究所の特色は、個人の心理特性だけでなく、家族、職場環境、組織および地域との関係を含めて多層的に捉える点にある。また、当事者従業員管理職および関係機関と協働して支援を開発しその効果と実行可能性を検証する。さらに変化し続けるAIを心理支援に安全かつ有効に組み込むための心理学的評価方法と社会実装のあり方を検討する。
